交通事故の態様別の点数と行政処分はこうなる
交通事故を起こした時に、皆さん1番気になるのが、
点数が何点なのか?
免許はどうなるのか?
車は運転できるのか?
という疑問だと思います。
今回は、交通事故を起こした場合に、具体的に何点が加点されてどのような行政処分(免許の停止等)を受けることになるのかについて説明します。
まず、交通事故には、物が損壊した物件交通事故と、人も負傷した人身交通事故の2種類があります。
○ 物件交通事故は、飲酒運転や無免許運
転等を伴う悪質な交通事故の場合には点
数が加点されているようです。
○ 人身交通事故の場合は、ほとんどの場
合点数が加点されているようです。
交通事故で加点される点数については、以前私のブログ「運転免許の点数制度」で話しましたが、もう一度おさらいした上で、交通事故の具体例を挙げて、何点加点されるのかについて話したいと思います。
人身交通事故を起こした場合は、
基礎点数と付加点数
が加点されることになります。
基礎点数とは、一般的な交通違反のことで、
・赤色信号無視
・一時不停止
・通行禁止
等のそれぞれの交通違反について、あらかじめ定められた点数のことです。
交通事故は、この交通違反を犯したことによって発生するわけですから、基礎点数が加点されることになります。
そして、付加点数とは、起こした人身交通事故の程度に応じて付加される点数のことで、その程度とは、
・自身の不注意な程度
・相手方に与えた負傷の程度
によって決まります。
この組み合わせによる付加点数は、
専ら加害者の不注意による | 相手方にも不注意がある | |
---|---|---|
・治療期間15日未満 ・建造物の損壊損壊 |
3点 | 2点 |
・治療期間が30日未満 | 6点 | 4点 |
・治療期間が3か月未満 | 9点 | 6点 |
・治療期間が3か月以上 ・後遺障害 |
13点 | 9点 |
・死亡 | 20点 | 13点 |
となります。
次に、事故の形態別の人身交通事故の点数について説明します。
1 車両対車両、車両対バイクの交通事故
追突事故
○基礎点数(交通事故の原因に関する点数)
脇見
安全運転義務違反 2点
車間距離
車間距離不保持 1点
スマホやカーナビへの脇見、通話
携帯電話使用等(交通の危険) 6点
居眠りや薬物使用、病気
過労運転等 15点
○付加点数
不注意の程度・・・専ら
負傷程度・・・・・15日未満 3点
1ヶ月未満 6点
3ヶ月未満 9点
追突事故の場合には、相手方に不注意が認められるケースが少ないことから、不注意の程度が「専ら」のケースがほとんどです。
相手方の負傷程度は、どの事故の形態についても相手方が警察に提出した診断書に記載された治療期間によって判断されているようです。
例として、脇見運転が原因で追突事故を起こし、相手方に治療期間約2週間の負傷を負わせた人身交通事故の場合は、
基礎点数2点+付加点数3点=5点
の点数が加点されることになります。
出会頭事故
○基礎点数
停止線での不停止
指定一時不停止 2点
見通し不良交差点での徐行なし
法定徐行不履行 2点
赤色点滅の不停止
信号無視(点滅等) 2点
優先道路通行車両への通行妨害
交差点優先車妨害 2点
交差道路の安全不確認
交差点安全進行義務違反 2点
○付加点数
不注意の程度・・・専ら以外
負傷程度・・・・・15日未満 2点
1ヶ月未満 4点
3ヶ月未満 6点
出合頭事故の場合、多くは交差点や道路外施設からの道路への進入行為によって発生しており、相手方にも不注意が認められるケースが多く、このような場合不注意の程度は、「専ら以外」となります
例として、信号機が設置されていない交差点において、一時不停止場所で停止せずに交差点内に進入して、左右から進行してきた車両と衝突し、相手方に治療期間約1ヶ月の負傷を負わせた人身交通事故の場合は、
基礎点数2点+付加点数6点=8点
の点数が加点されることになります。
信号無視による出合頭事故
○基礎点数
赤色信号無視、黄色信号無視
信号無視(赤色等) 2点
○付加点数
不注意の程度・・・専ら
負傷程度・・・・・15日未満 3点
1ヶ月未満 6点
3ヶ月未満 9点
信号無視による出合頭事故の場合、信号機の表示に従って進行した相手方に不注意は認められないとするのが一般的であることから、不注意の程度は、「専ら」となります。
例として、信号機が設置された交差点において、信号機の赤色表示に気付かないで停止線手前で停止することなく交差点内に進入して、左右から進行してきた車両と衝突し、相手方に治療期間約3週間の負傷を負わせた人身交通事故の場合は、
基礎点数2点+付加点数6点=8点
の点数が加点されることになります。
(※危険運転致傷罪の殊更信号無視の場合を除く)
進路変更時の交通事故
○基礎点数
進路変更時の安全不確認
安全運転義務違反 2点
○付加点数
不注意の程度・・・専ら以外
負傷程度・・・・・15日未満 2点
1ヶ月未満 4点
3ヶ月未満 6点
進路変更時の交通事故の場合、相手方には進路変更車両に対しての動静を注視すべき注意義務が認められる場合が認められる場合が多く、この場合は不注意の程度は、「専ら以外」となります。
例として、複数の車両通行帯が設置された道路において、自車線から他車線に向けて進路を変更する際に他車線進行車両と衝突し、相手方に治療期間約1週間の負傷を負わせた人身交通事故の場合は、
基礎点数2点+付加点数2点=4点
の点数が加点されることになります。
右折時の対向車との交通事故
左折巻き込み交通事故
後退時の交通事故
道路外(駐車場等)における交通事故
ドア開放時の交通事故
2 車両対自転車
出合頭事故、信号無視による出合頭事故、左折巻き込み事故