交通事故・交通違反の悩み解決

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第2章 交通事故後に絶対やるべきこと

 もしも、交通事故を起こしてしまったら、誰しも動揺してしまい、普段どうりに行動するのは難しいと思います。

 しかし、示談交渉を円滑に進めるためには、たとえ交通事故を起こしたばかりで動揺した状況であっても、相手方に対する姿勢や行動がとても重要になります。

 今回、なぜこのテーマにしたかというと、交通事故直後の相手方の行動に不信感を持ってしまい、その後の示談交渉がうまくいかず、揉めに揉めて示談成立まで相当な時間がかかったり、心身とも疲弊したという声をよく耳にするからです。

 相手方も人間ですから、交通事故発生直後の自分の行動や相手方への対応次第で、

  相手方とスムーズに話が進められたり

  相手方と揉めて示談交渉が停滞したり

するものです。

 交通事故は、誰しも起こりうる人生一度の大ピンチです。

 できることなら、相手方とは揉めたくないし、スムーズに示談交渉が進んで欲しいものです。

 それでは、交通事故直後に絶対やるべきこととは何でしょうか?

 これから説明していきたいと思います。

目次

絶対に逃げてはならない

 運転手が運転免許証を取得し、公道において車両を安全に運転するためのルールは、全て道路交通法に定められています。

 つまり、私達は、道路交通法に従う義務を課せられた上で運転しなければなりません。

    道路交通法には、

  交通事故を起こした場合は、直ちに

   ○負傷者を救護する義務

   ○警察に届ける義務

が明示されています。

 この義務を怠って逃走した所謂ひき逃げ交通事故の場合は、

   過失運転致傷及び道路交通法違反

   (救護義務違反、事故不申告)

の被疑者として厳罰を課せられることになります。

 

 現在は、コンビニエンスやビル、マンション等どこにでも防犯カメラが設置されていますし、通行中の自動車にも高い確率でドライブレコーダーが設置されています。

 また、カメラ自体も高性能で鮮明な画像となっており、ナンバープレートの標示等も判別しやすくなって来ています。

 この映像が決め手となり、逃走者が判明して逮捕されるケースは近年増加しています。

 

 逃げても必ず警察に捕まります。絶対に逃げてはいけません。

 

負傷者を救護する

 直ぐに車を止めて降車し、相手に駆け寄り、声かけと救護を行いましょう。

 相手の方が歩けるのであれば、一緒に安全な場所まで寄り添いましょう。

 相手が頭を打っていたり、重傷により動かさない方がいい場合は、自分の車を盾にすることも視野に入れて負傷者を守りましょう。

  決して、相手を道路に放置したまま、先に自分の車を移動したり、車からすぐに降りずに誰かに連絡したりしてはいけません。

 先に自分の車を移動した場合、それが安全な場所への移動であっても、逃走したと思われることがあり、相手方からの印象を悪くする場合があります。

 また、救護よりも電話連絡を先にした場合も、相手方の体の心配より、自分の用件を優先したと受け取られることがあり、相手方からの印象を悪くする場合があります。

 

 まず、自分の用件は後回しにして、相手方に声を掛け、負傷している場合は救護を最優先することが大切です。

 ● 相手に謝罪してもいいの?

 保険会社は、むやみに契約者が相手方に対して謝罪しないように指示することがあります。

 これは、謝罪したことにより、相手方に示談交渉の主導権を握られ、保険会社が相手方から法外な損害賠償請求を求められたり、示談交渉で後手に回ることを嫌うからと思われます。

 しかし、契約者にとっては、保険会社がどれだけ負担をするのか相手方との示談交渉を優位に進める等駆け引きなんてどうでもいいことですよね。それを自分でしないために毎年高額な保険に加入しているのですから。

 私は、交通事故で自分に責任があるのならすぐに謝罪し、礼儀と誠意を持って対応する方が人として当たり前の道理であると思いますし、早期解決する上で何よりの近道だと思います。

救急車の要請、警察へ届出する

 勿論知っていると思いますが、救急車の要請は119番、警察への届出は110番です。

 地域によるかもしれませんが、救急隊に連絡すると、警察にも連絡を入れてくれたり、逆に警察から救急隊に連絡してくれることもあります。

 私は、人命優先を考えると救急隊への連絡を優先した方がいいと思います。

 間違っても、救急車の要請や警察への届出の前に家族や保険会社へ連絡するのはやめましょう。

 相手方は一刻も早く救急車や警察の到着を待っているのに、自分の気持ちを優先した行動は、印象を悪くする場合があります。

 また、警察への届出は義務です。

 届出を怠った場合、

   道路交通法違反(事故不申告)

として罰せられることがあります。

 

 まずは、救急車の要請と警察への届出を行いましょう。

 

保険会社に連絡する

 自分の加入している自動車保険会社(任意保険)の交通事故連絡窓口に電話連絡し、交通事故の届出を行いましょう。

 色々と保険会社から尋ねられたり、指示を受けることになると思います。

 

 交通事故を起こしてすぐは、頭が混乱して、保険会社の話が理解し難いと思われますので、メモを取って、後程見直すようにしましょう。

 

警察官に事故状況を説明する

 警察に連絡すると、しばらくして事故現場に警察官が到着します。

 警察官から、

   運転免許証

   自動車検査証(車検証)

   自動車損害賠償責任保険

     自賠責保険証)

の提示を求められますので指示に従います。

 次に、交通事故の状況について尋ねられますので、運転状況や交通事故状況について説明します。

 この時、故意に自分に有利な状況を説明する方がいます。

 警察や保険会社に対して嘘の状況を説明すると、相手と揉める原因になりますし、警察から否認事件としての捜査を受けることになったり保険会社の示談交渉が停止することになります。

 

 よって、交通事故時の運転状況をありのまま説明するように心掛けましょう。

 

レッカー車を手配する

 自分の車が損傷が軽く運転できる場合はいいのですが、損傷がひどい場合は、レッカー車の手配が必要です。

 任意保険によっては、レッカー移動サービスが付帯していることがありますので、任意保険会社に確認しましょう。

 また、レッカー移動サービスの費用については、

  『〇〇キロまでの移動は無料』

として、移動距離の制限がある場合もありますので、依頼するまでに、どこまで移動する必要があるのか、あらかじめ決めておきましょう。

 もし、任意保険にレッカーサービスが付帯されてなかったり、任意保険に加入していない場合は、自分でレッカー業者に依頼しなければなりません。

 レッカー業者によっては、当事者の足元を見て高額を請求する業者もいるので注意が必要です。

 私が一番オススメするのは、

   JAF(日本自動車連盟

です

 会員以外は、13,130円で移動距離15キロまでのレッカー移動が可能です。

 また、事前に入会すれば、6千円(入会金2千円、年会費4千円)でレッカー移動やバッテリー上がり、鍵の閉じ込め等のサービスや会員特典(飲食店割引)等も受ける事ができお得です。

 

相手方と連絡先を交換する

 警察は、個人情報の保護の観点から、相手方の連絡先について教えてくれませんので、相手方から必ず聞くようにしましょう。

 また、相手方が救急車により病院に搬送された場合は、警察から搬送先の病院を教えて貰い、病院で相手方に面接して教えてもらいましょう。

 ●   病院へのお見舞いは行った方がいいの‥?

 相手方に交通事故の責任がある場合に、相手方が怪我をしたからといって、病院に行って相手を気遣うべきかどうかについては、賛否両論あると思います。

 お見舞いに行けば、自分の非を認めるのではないか、今後の示談交渉で相手が優位になるのではないか等思うかもしれません。

 ここからは私の見解ですが、事故内容の良い悪いは別として、当事者責任として相手の怪我を心配するのが人道的ではないかと思います。

 交通事故の場に自分の存在なければ、例え相手方に不注意があったとしても、今回の交通事故はなかったと考えると、決して無関係ではありません。

 行かずに後々悔やむようであれば、お見舞いに行って相手に寄り添うことが人として大事なことではないかと私は思います。

 お見舞いを勧めているわけではありません、あくまで個人的な意見です。

その後の手続きについて

①相手方との示談交渉

 相手の連絡先の交換後は、双方の車の修理代や治療費等について、保険会社を通じて示談交渉していくことになります。

 示談が進んで双方が示談書に署名したら損害賠償等の民事上の交渉手続きは終

了となります。

②人身交通事故の捜査手続き

 相手や自分自身が負傷した人身交通事故の場合は、警察により捜査手続き

が行われることになります。

 捜査手続きの内容や手続き後の司法処分(罰金等)や行政処分(運転免許

の停止等)については、別に説明したいと思います。

  

最後に 

 冒頭でも言いましたが、交通事故の可能性は誰にでもありますので、交通事故を起こしたら今回説明した内容について実践しましょう。

 また、事故を起こした事がない方も、日頃から失敗をイメージしておくことは、リスク管理上効果的なので、今回の内容を参考にしましょう。

 

 長年交通事故に携わってきた私が思うことは、相手方は他人であり、自分と同じ価値観を押し付けてはならないということです。

 相手方には相手方の営みがあり、相手の尊厳を踏みにじり、軽んじてはならず、お互いに尊重し合わなくては相手方を理解することはできません。

 相手のことが理解できないと、つい不安や不満を覚え、結果揉める行動をしてしまうことが多いものです。

 そうならないためにも、相手方を尊重し、客観的な視点に立って冷静に相手方と対峙する事が何より交通事故の早期解決に繋がると私は思います。